先輩と彼氏さん

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「いや、見捨てるなんて…あのさ、オレ、これからもお前と一緒にいて、いいのかな…。料理も家事も、お前みたいに上手にできないし…。花嫁の修業なんてすごいことしてる人にはひっくり返っても勝てないよ?……それに、やっぱり仕事はオレの生き甲斐だから、辞めらんないし、映像作り込んでるときはそっちに意識が全部いっちゃう…あ、でも!オンとオフのメリハリは、これからちゃんと工夫する。お前との時間、もっと大事にする。うん、この点はオレも悪かった。目に見えるところを整えるのに精いっぱいで、お前の心の中に目が向いてなかった。うん、これは反省。」 「…っ!俺はお前がいてくれるだけで、十分だ!そうやって、俺と一緒にいるための努力をしてくれる、その気持ちが、まじで嬉しいから。本当にありがとうな…。仕事も、全力投球しろ。お前はもっとすごい作品が作れる。俺だって毎日、全力で働いてる。そこはお互い、支え合いながら頑張ろうな。」 「うん…ありがと。そっか、オレ、シンガポールに一緒に行けるのかぁ…ああっ、でも日本人会とか、奥様会とか、話が合わなさそう…それにオレ、パクチーだめだった。辛い料理も苦手だし。ううう、やっぱ、オレなんかじゃ…。」
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