先輩と彼氏さん

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「ストップ!落ち着け。お前が奥様会に入る必要はない。それにパクチーは確かに使われているメニューも多いがそればっかりじゃないし、何なら俺が食べてやるから心配するな。ついでに言えば、シンガポールは辛い飯、そんなにないぞ?ああ、パイナップルライスなんか、お前は好きそうだ。それに俺は、お前の作るリンゴとハチミツの甘口カレーが大好きだからな!あっちでもまた、作ってくれ。ああ、愛してる。愛してるよ…。」 「ちょ…そういうの、ハズいから。それに何でそんな勢いよくオレの首筋の臭い嗅いでるの。勘弁して…。」 「ああ、恥ずかしがるな。何度でも言うぞ。お前を愛してる。俺に必要なのは、お前だけだ。こういう言葉も、これから出し惜しみせずに言う。」 「…うへ…ずっと一緒にいられるなら、オレ、どこに行っても幸せかも、なんちゃって…んっ…うふぅ…。」 はぁ。あっという間に仲直りかぁ。つけ入る隙なんて、なさそう。さっきから、すごい湿度の高いキスの音。彼氏さんの「んっ」って声と、甘えたような吐息が聞こえてくる。 二人がもつれるようにして寝室に入ってきた。先輩の視線が室内をさっと一巡し、俺はクロゼットの中で息をひそめる。先輩はベッドに横たわる彼氏さんの上に覆いかぶさると、上掛けのカバーを自分たちにかぶせた。ちっ、見えねえ。 でも、音とシルエットだけでも、十分にエロい。
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