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体育の時間にかくれんぼをやろうなんて、先生も突拍子のないことを言い出す。普段、私たち生徒が真面目に授業に取り組まないから仕返しだろうか。
「俺が鬼をやるから、みんな上手いこと隠れるんだぞ。場所は校舎の中以外、学校の敷地内の中だったらどこでもOKだ」
そんな、言いたいことを言って・・・。
この学校は私立の大きな高校なので、結構な広さがある。一学年に30人から40人ほどいて、8クラス。生徒だけ数えると、ざっと計算しただけで1000人近く生徒がいる大きな高校だ。なのでそれなりに学校の敷地は広い。いくら体育の時間が2時間続けてあるといったって全員見つけることは不可能なんじゃないか。私は考えるとウンザリした。
「先生、本気なの?」
「勿論だ。相田は文句があるのかな?」
先生が肩をグルグル回して凄む。
「いいえ」
私は黙り込む。
今日体育に出席している人数は30人。いつもより人数が多い。なぜなら今日の授業は男子と女子が合同で行う体育だ。私たちが通っている高校は共学校だが普段は別々に体育の授業をしている。しかしたまにこうして一緒に体育をすることがあるのだ。
「いいかー。50数えるからその間に隠れるんだ。点数は最初に見つかった子から少ない点をつけることにする。最後まで見つからなければ100点満点だ」
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