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「仕事を減らす理由は何なんだ。も、もしかして具合が悪いのか? どこが悪いんだ? 大丈夫なのか?」 「いいえ、大丈夫です。ただ……、生き方を変えたいのです」 わたしは真面目に社長に訴えた。 社長は驚いたように笑い出した。 「生き方を変えたいって? こんなに仕事好きな君が? できるのか?」 「はい。わたしの業務を減らしてください。なるべく9時から5時までで帰ります。緊急なときを除いて」 「仕事に夢中だった、俺の社長秘書が? 本気でいっているのか?」 「はい」 わたしは本気度を示すため、社長を食い入るように見つめる。 目力で負けてはいけないのだ。 「いいですか? 」 「まあ、いいとしか言えないな。業務時間外だしな」 社長は微妙そうな顔だ。 「秘書課全体でこれからは社長をサポートしますから、安心してください」 「君が俺の専属秘書じゃないのか」 社長は嫌そうな声を出した。 「はい。わたし一人で社長を担当すると、わたしに何かあった時共倒れになってしまいます」 わたしは秘書室をぐるりと見渡した。
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