第三章 解放

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 「理奈……俺、付き合った相手と結婚考える性格だけど、それまで我慢しない。欲しいんだ」  真剣な表情の彼を見て理奈は頷いた。  今までは父親の言うとおりに、結婚までは身体の関係を持たないと考えていた。  でも、もう理奈は解放された。愛する男性と一つになりたいという気持ちを(おさ)える必要はなくなった。  慎也はベッドに押し倒した理奈を、静かに起こしてきた。二人の視線が(から)み、引き寄せられるように口づけていた。  彼からの愛情が伝わってきて、理奈の頬を涙が流れた。慎也は、彼女の涙を指で払いながら言った。  「愛してる、理奈。ずっと理奈を守るから」  「私も愛してます、慎也さん……ずっと離さないでね」  当然だというように頷いた慎也は、一生を約束する言葉を告げてきた。  「もちろん。これからはずっと一緒だ。  理奈……俺と、結婚してほしい」  「はい……」  感動で理奈は、短い返事しかできなかった。でも、そのまま彼のすべてを受け入れていた。お互いを抱き締め合う二人を、花の香りが包んでいた。幸せな未来を祝福するように……                                 おわり
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