隣の君にさようなら

2/9
前へ
/9ページ
次へ
アイスクリーム屋に着くと雪彦はマシュマロ入りのチョコレートアイスを、翼は苺の果肉(ドライフルーツ)入りのストロベリーアイスを注文した。 ちなみに、そのアイスクリーム屋は駅の近くのショッピングモールの中にあった。 代金を支払い、店員からアイスを受け取れば二人は席に座り、アイスを口にした。 口内でアイスのひんやりとした冷たさと甘い味が広がった。 口の中で溶けたアイスを飲み込むと、翼は穢れの無さそうな笑顔を見せた。 「アイス、美味しいね! 来て良かったよ。」 「そうだな。冬に食べるアイスって割と美味しいよな。」 こうして、二人は笑いあって歓談しながらアイスを食していた。 雪彦は知らなかった。翼と過ごすこの楽しい時間が最後のものになるということを。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加