2.

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陽太は、自室に戻った。 リュックに入れっぱなしだった財布を探り出す。 確か、その中に目当てのものが入っていたはずだ。 目的のものを探し出し、電話をかける。 その番号に電話をかけるのはとても勇気がいったし、その相手と話すのはもっと緊張したが。 それでも、何もしないではいられない。 自分にできることは全部やってみる、と決めたのだから。 電話を切って、陽太は小さく息をついた。 それから、鷹城のメッセージを既読スルーしてしまっていたことに思い当たり、慌てて電話をかける。 「陽太?My sweetie?」 鷹城の声が聞こえただけで、こんなに胸が震えて、体温が一度くらい上がる気がするのに。 それぐらい大好きな相手と愛を囁き合うことが、どうしていけないのだろうか。 「鷹城さん、スマホ、ありがとうございます」 「uh-huh…陽太、そんな可愛くお礼言うのは反則だって。今は君に触れないのに、ゴーモンみてぇだし」 本気で悶絶してそうな声で、鷹城が言うから。 陽太は小さく笑った。 「普通にお礼言っただけですってば。鷹城さんの『俺フィルター』ってやっぱり相当変ですよ?」 そんなふうに、きっと鷹城も変なフィルターかけてしまうぐらい自分に恋してくれていることが、堪らなく嬉しい。 泣きたくなるぐらいに。 「ああ、陽太は笑い声も可愛いし……マジもう、君の笑ってる顔、すげぇ見たい。俺が笑わせてる君を、ずっとずっと、永遠にでも見ていたいよ?」 俺もです、と陽太は小さく呟いた。 あまりにも小さな声だったから、鷹城には届かなかったかもしれないけれど。 俺も、貴方が俺を見て嬉しそうに笑う顔、ずっとずっと、永遠に見ていたい。 だから。 陽太は、一度ギュッと唇を噛んで、それから覚悟を決めて、口を開いた。 「鷹城さん、お願いがあります」
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