痛くて痛くてたまらないよ

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『あのさ私思うんだけどさ自分がいくら正しいと信じてても理屈だけで動いちゃうと人と衝突したりするよね。逆に他人の気持ちを思い過ぎて情けだけで動いていると今度は自分の考えをうまく伝えられなくて相手に対して折れてばかりでさ。かといって自分の意地を、主張なんかしちゃったりしたらなんかキツキツだし、とにもかくにも人の世の中って住みにくいよね。本当この世の中ってなんて虚しいのかな。 だって私は生まれた時から、 「 消えてしまいたい。」 って泣きわめいたんだよ。』 富士子が言うと理央ちゃんは、 「 だよね、わかる。」 って言ってくれた。 私達は一年の時からの親友で運の良い事に2年でも同じクラスになった。有名な進学高校の2年生だから私達のやるべきことは勉強だけだ。一日の中でゆっくりおしゃべりが出来るのはお昼ご飯の時間だけだ。富士子は理央ちゃんと、ついさっきまで勉強してた机でお弁当を一緒に食べる。高校に入学以来、毎日必ず理央ちゃんとお弁当を食べた。理央ちゃんは明るいクラスの人気者だから、みんな理央ちゃんとお弁当を食べたいはずで、富士子と一緒に食べてると、 「 私も混ぜて。」 と、しょっちゅうクラスの女子が来た。でも、いつのまにか富士子と二人きりになってた。 ( でも本当に理央ちゃんにわかるのかな?) と、富士子は思う。
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