近くて遠くてすごく近い

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近くて遠くてすごく近い

伯父さんの息子のあいつは、その後議員となった。地元の自然を残した住みやすい町を造ろうとしてる。 それをよく思わない奴がいるのも事実で、危険な目にあうこともあるそうだ。そういうときは、こっちもちからわざで応戦する。 地元の天然記念物「カッパ」はこっちの味方だ。 あるかも分からない「竜宮城」よりも、今では俺たちと彼らカッパの距離はかなり近くて。 それでも辛うじてエンカウント(遭遇)しない絶妙な距離。 これが俺たちが望んだ「お伽噺」との距離だ。 今日も川岸にはでっかい甲羅が干されている。 何かが沈む水音が、確かに俺の耳に聞こえた。
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