出会いは突然に

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今日も先輩に付き合って、部室でコックリさん……もとい『降霊術』の儀式を行った。 二人っきりで……。 いつも思うのだが、わたし達の所属する「オカルト研究部」略して「オカ部」は、あまりにも部員が少なすぎる。 ……ちなみに、オカ部の省略は部長が考えた。 何度か先輩に、新しい部員を確保してほしいと抗議したのだが。 その度に「なかなか条件に合う人が居なくてね」と、言葉を濁されてしまう。 条件に合う人? 一体なんの? わたしは初めて会ったその日に勧誘され、今に至ると言うのに……。 「やれやれ。今日も収穫はゼロだったね……」 先輩は男の子みたいな口調だが、れっきとした女の子。 見目麗しいとは、先輩のような人の事を言うのだと、わたしは密かに思っている。 艶やかな黒髪から覗く、端正な顔は美しい。一目見れば、同性のわたしですら、目をそらせなくなるほどに……。 妙な言動さえなければ、学校一の美少女として、人気者になっていただろう。もったいない。 「そろそろ帰ろうか、江沢くん」 先輩が、意地の悪い顔で言う。 わたしが男っぽい外見を気にしているのに、わざと『くん付け』で呼ぶのだ。 「江沢ユナ(・・)。わたしは女子です。君づけで呼ぶのは、止めてください!」 わたしの膨れっ面を見て、先輩は楽しそうに笑う。 先輩は、ズルい。 悔しいけれど、先輩の笑顔は可愛らしくて。わたしは、何も言い返せなくなる。
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