璃海 視点 【 2 】

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      今、私の目の前に座る人物は、私が望むべき相手ではなかった。  だけど今、私はこうやって約束したとおり彼とデートをしている。  彼、舘石慧瑠は一人の人間としてはとても好感が持てる。  なんせ、私と彼は〝同類〟なのだから。  我慢しないで、ありのままの思想を公言出来る。  しかも、私から彼への一方通行じゃない。  ちゃんと会話のキャッチボールが成り立つ。 「ねぇ、男同士だって恋バナするでしょ? どんなお話をするの? やっぱりエロトーク? 彼女とキスしたとか、エッチしたとか、そんな話をよくするの? でも慧瑠はゲイでしょ? 皆と話し合わせるの辛くない? エロ本はどんなの読んでるの?」  あの後、慧瑠と私はファーストフードに入店した。  ファーストフードなんて全メニューを丸暗記しているくらいに、ほとんど毎日通いつめている。  でも、何故かな。  今日は、今日だけは違う。  まるで初めて入ったかのような新鮮さを体感しちゃう。  いつもより、コーラもポテトもハンバーガーも、すっごく美味しく感じるよ。  コーラの炭酸が喉の奥底でシュワっと弾けるたびに、私の心も弾んで陽気な気持ちを抑える事が出来ない。  慧瑠もハイテンションになってほしいのに、当の本人は仏頂面で眉間に皺を寄せている。  ねぇ、慧瑠。私との会話が退屈なの?  ♀      
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