璃海 視点 【 2 】

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      お互いの呼び方を特に決めた訳じゃないのに、いつの間にか慧瑠と私は『慧瑠』『璃海』と自然に呼び捨てしあう仲になっている。  慧瑠は苦笑いしつつも「ま、いっか」と言って、再び私の話を聞く姿勢に戻してくれた。 「俺も璃海と出会うまでは、こういう話しをする相手がいなかったから、璃海がはしゃぎたくなる気持ちはよく分かるよ」 「でしょ? あぁーー、説明なしに理解してもらえるって本当に幸せ。テレパシーみたいじゃない?」 「そうか? 俺からのテレパシーは璃海には伝わってないみたいだけど」 「えっ!? 嘘っ!? 慧瑠の話だってちゃんと聞くよ?」  私は慧瑠の顔を真っ直ぐに見て、強く言い張った。  そっか。そうだよね!  自分だけがペラペラ話してばかりいちゃダメだよね!  私も慧瑠の話を親身になって聞いてあげなくちゃ!  私は急に後ろめたい気持ちになったけど、それもすぐに立ち直る。 「俺、さっきからずっと璃海のハンバーガーが食べたい! って璃海にテレパシーを送っているのに、璃海、俺にハンバーガーくれないじゃん?」 「私のハンバーガー、慧瑠にあげようか?」 「うん。ちょうだい」 「やだよーー。あげないよーーっだ!」 「ケーーチ」  こんな他愛のない冗談のやりとりも、すっごく楽しくて貴重な時間だよ。  周りのお客達が次から次へと新しい顔へと入れ代わってゆく。  慧瑠と私はいつまでも席を立とうとはしない。  湧き水のように溢れ出る、途切れる事を知らない談笑に夢中になる。  この空間は誰にも邪魔させないよ!  ♀      
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