璃海 視点 【 2 】

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     「璃海は?」  慧瑠が口に加えていたストローを離して、興味深そうな瞳を私に向ける。  慧瑠は紙パックに入っているジュースをもうほとんど飲み干しちゃったみたい。  私の飲みかけのコーラも慧瑠にあげようかな。 「璃海は今、好きな人いるの?」 「うん。いるよ」  今度は慧瑠がはしゃぎだす。 「えっ!? マジで!? 同じ学校の人?」 「うん。しかも同じクラスなの」 「同じクラスっていうのは嬉しいよな。一緒にいる時間や話す機会も多いしさ」 「嬉しいけど、しょっちゅう彼氏が欲しい! って私に言ってくるんだよ? もぉ~~、落ち込むよ~~……」  私はテーブルの上に突っ伏して、ウジウジといじけだす。 「それはキツイよなあ~~。俺もさ、好きになった男から好きな女の話とかされると、どう接していいのか分かんなくなるんだよ。応援する気なんてさらさらないし。しかも協力してくれなんてお願いされた日には、俺、どうすればいいんだ! チクショーー!」 「うっわぁ~~、それ嫌だ! 絶対に嫌だっ!」 「だろ?」 「もしかして、慧瑠が好きだった人って……」  この先、私に言われる台詞を予想して動揺したのか、 「彼女が出来て、諦めた人って……」  ハンバーガーを掴む慧瑠の指。その指がハンバーガーに食い込み、形が崩れてパンくずがポロポロと落ちた。 「協力してくれって、お願いされた人だったりする?」  私に図星を突かれた慧瑠は残りのハンバーガーをほぼ丸飲みしてから、泣き声まじりに両手で頭を抱え込む。 「あぁーー! そーだよ! もう、思い出させるなよぉ~~……」 「何で協力したの!? 慧瑠のバカーー!! バカだよ! 慧瑠は!」 「協力なんかしてねぇーよ! 俺が協力しなくても、最初から相思相愛だったんだよ! いつの間にかカレカノになってた! しかも顔をデレッデレにして笑いながら、彼女が出来たって、わざわざ俺に報告してきやがった! チクショーー!!」  慧瑠も私との会話に夢中になってきたのか、周りの人達を気にしはじめなくなってきた。  ♀      
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