決断の行方

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決断の行方

 二年後。 「結局、こうなったかぁ」  百合は式場に飾られたウェディングボードを見ながら、しみじみとそう言った。 「なんとなく予想は出来てたんじゃない?だって萌ちゃんだもん」 「お互いに幸せならいいんじゃないですか。羨ましいなぁ」  祥子と美佳は口々にそう言いながら、新郎側のゲストをチラ見する。ハンターと名高い美佳であっても、今日ばかりはそんな気は起きないようだ。 「上司挨拶は加瀬さんでしょ」 「みたいだね。相変わらず派手な格好」  ネクタイが多少目立つ以外はいたって普通の礼服を纏っているというのに、百合にそう酷評されてしまうのは、彼が醸し出す独特の雰囲気のせいだろう。これについては二人からのコメントはなかった。 「あ、ほら、あの子。萌ちゃんの親友さんじゃない?こんにちはぁ」  祥子に声をかけられた香菜はニコニコしながらこちらに小走りで向かってきた。 「こんにちは。ご無沙汰しています」 「こちらこそ。今日はいい天気で良かったですね」 「ええ。萌、何気に晴れ女ですから。と、今日のゲスト、さすがに会社関係の方が多いですね」 「元社内だからね。お互いの知り合い呼んだら、こうなっちゃうんだろうね」  言いながら百合は席次表に付いている二人のプロフィールを見た。  鈴木萌。山田健太。それぞれの出会いの欄には同じ言葉が載っている。  会社、と。
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