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「……!?」
ぼんやりとした記憶と視界をはっきりさせたのは顔面にかかる冷たい衝撃だった。
回復した視界が真っ先に捉えたのは目前の男。その手にはバケツが吊るされている。どうやら水を浴びせられたらしい。続いて背後に立つ四人を見た。
「待ちくたびれたよ」水に続いて、ねっとりとした声を浴びる。「尼寺さん」
顔を上げて男の素顔を拝もうと試みた倫花は思わず絶句した。男達は皆、強盗を彷彿とさせる覆面マスクを被っていたのだ。その不気味な集団に顔から血の気が引いていく感覚を覚える。
「……ッ」
すっかり怖気づいた倫花。彼女の小動物のような表情を覗いた男は嗜虐心を煽られたのか手に持ったバケツで倫花を殴った。誰も嬉々として痛い思いなどしたくない。最もマゾヒストなら話は別だが。
当然、倫花は前者だったので大人しくする事にした。だが、自分に課せた誓約はいとも容易く破る羽目になる。
「何……これ!?」
目の前の男達にすっかり釘付けだった倫花は、彼らに囲まれるようにして横たわる幼馴染に気が付かなかった。
光の失せた瞳から涙を流し、柔らかな口元からは大量の涎を垂らしてぐったりと微動だにしない。
咄嗟に立ち上がろうとしたが、その直後に身体が後ろに引き寄せられた。何が起きたと言わんばかりの形相で背後に目を向ける。
「な、縄……!?」
この時、自分が拘束されていた事を初めて知る。
力を籠めるも硬く結われた縄を解く事は出来ず、「じっとしてろ」という警告が腹部に与えられた。
やがて男達は口角を歪ませ、「待ってました」と言わんばかりに幼馴染へ群がると――
「なッ……!?」
――見せつけるように幼馴染の制服を剥ぎ取っていく。
下卑た笑い声を抑える事ができない男達。そうして下着姿に成り果てた彼女を見るや否や、駄犬のように涎を滴らせながら一斉に彼女の身体に舌を滑らせていく。足裏、太腿、乳房、脇そして顔など隅々まで舐める連中に憤りを隠せない。
「嘘……ねぇ……」
そしてついに倫花が恐れていた事態が起きる。
「や、やめてよ……」
男達が一斉にベルトの金具を外しにかかる。
「お願いだから……」
反り経つ粗末な逸物を彼女の上に掲げ、一人の男が股座を強引に開いた。
「やめてぇぇぇぇ!」
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