同性愛者

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 無理だ。痛みなんかはいくらでも我慢できる。それより、この悲惨な光景を黙って見ている方が耐えられなかった。  少女は忠告を無視して、どうにか拘束を外そうと足掻く。するとさっきとは別の男が眉間にしわを寄せて足早に向かってきた。少女は目は逸らさず男へ鋭い視線を突き刺す。  神経を逆撫でされた男は、少女の控えめな胸ぐらを掴み、二度三度頬を叩いて、最後に唾を吹きかけた。手を縛られているため顔を拭おうにも拭えない。なめくじのように這う生暖かい感触に吐き気を覚えた。 ――知った事か……!   なおも少女は身体を捻って手に腕に力を籠める。二度も無言の忠告を無視された男は、放置されていた金属バットを掴み取り、フーッフーッと鼻息を荒立てて少女の正面に立ちふさがった。 「やめとけ」  今まさに男が金属バットを振りかぶった、その時だった。跳び箱に腰を下ろして自慰行為(オナニー)に興じる一人がぴしゃりと男を呼び止める。どうやらこの男がグループのリーダー格らしい。 「気絶でもしたらどうすんだ」そのリーダー格の男は少女を蔑むような目を向けて言う。「見届けてもらう事こそコイツには何よりの苦痛なのさ」  跳び箱から降りた男は、今しがた陰部を擦った手で少女の顎を持ち上げ、不気味な笑みを浮かべて耳元でねっとり囁いた。 「目の前で好きな人が犯される気分はどうだ?」
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