出刃包丁

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――ここはどこだろう。  私は真っ暗な病室で目を覚ました。今思えば、瞼を閉じていたままの方が良かったと心底思う。次第に暗闇に目が慣れていく。  真っ白な天井、清潔な部屋、漂う消毒液の鼻につく匂いがここは病院なのだと理解を促してくれた。 ――何故、病院にいるのかしら?   朧げな意識が必死に答えを模索する。 ――変だな。私、学校にいたはずなのに……。  ふと、何気ない級友との会話を思い出す。
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