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9.10
昼休み。
今日は意外と気温が高い。
でも暑くはない。
クーラーの効いたオフィスで携帯を触っている。
昼食を食べても、昼寝を挟んでも、仕事の続きに手をつけたってかまわない。たった1時間の休憩時間に何をするかは自由なはず。
そんな中、わたしは言葉を綴っている。手のひらサイズの小さな画面と只管に向き合い、サクサクと動く親指の動きはおもしろいほど素早く文字が打てた。
……。
自己紹介が遅れた。
趣味は読書。
至って普通。つまらない人間。
それがわたし。
そんなわたしは、あるとき出会った。
たまたま見つけた小説を何気なく読んでみて、いつの間にかハマってしまっている自分に気がついた。
その小説はショートショートな作品で、全然深みはない。文章力も大してない。お世辞にもおもしろいとは言えない……。
でもどうしてか……惹かれてしまった。
その物語の考え方に共感している自分がいた。なんでだろう? わたしの中にも「危ないモノ」が渦巻いているのかなぁ? そう思った。
でもだからこそ、このことを誰かに話せばわたしは気味がられる。危ない人だって白い目で見られてしまう。
だから、思うことは口にしないことに決めた。代わりにこうして日記をつけることにしてみた。この日記をみんなに読んでもらって、少しでも共感してくれる同志を探したい。そんな思いで、わたしは今文字を綴っている。
だから読んで欲しい。
共感して欲しい。
きっとみんなも、わたしと同じ「狂気」を抱えていると……知って欲しい。
それだけ。
M
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