階段小説

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生徒が、階段を慌ただしく上っていく。 無理もない。今日は文化祭。 だから騒がしいのは仕方ないのだ。 私はタピオカと焼き鳥を片手に上る。タピオカ美味しい。 暑い。 若者はやすやすと追い抜いていくが、この歳では走ることもできない。 「大丈夫ですか」 生徒が声をかけてきた。体調が悪いと思われたのか。 「ちょっと疲れただけですよ」 「もしよければ……」 そういって彼女は自分の店の説明をする。 油断も隙もない。 「どうです?」 冷房もありますと言われ、私は頷くしかなかった。 その時これほどに長くなるとは、全く予期していなかった。
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