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いい加減どうにかしなきゃと思うのに、星風くんを拒絶できないのは、惚れた弱みというやつなんだと思う。
(なんだかんだで、星風くんと過ごせる時間が嬉しいし……、楽しいし……)
至る所でキスされるけど、キスだけだ。
その先に進む素振りはないし、二人きりで密室に行くようなこともない。
そういう意味では厚い信頼を寄せているが、反面、悲しくなったりもする。
いや、付き合ってもないのに、キスどころかその先なんて絶対あり得ないことなんだけど……。
「じゃあさ、行きたいところがあるんだけど」
自転車片手に、スマホを操作していた星風くんが、徐に言った。
「どこ?」
「科学館。プラネタリウムが見たい」
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