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星風くんはたまに、いやよく。
こんなドキッとする発言を、突然する。
それも、「え、今!?」というようなタイミングで発せられるので、最初は何かの間違い、罰ゲーム、むしろ悪口かと思ってしまった。
今だって頭を抱えて踊っていたようなものだし、星風くんの表情は「可愛い」のかの字もないような無表情だった。
声だってもちろん。
「か、可愛い……!?」
だから最近は、思わず聞き返してしまうことがある。
それにきちんと、理由やら説明やらを加えてくれればいいものの……。
「うん、山加が」
「……、」
肯定して終了。
私のどこを可愛いと思ってくれて、今の状況の何がそう思わせたのか、全くもって言及はなし。
なので次に活かせるはずもない。
(だから、次なんてないんだってば。私はもう、こんな関係終わりにしたいって言うんだってば! ……明日!)
「今日はツイてないね……。パフェにプラネタリウムに、すっかりその気になってたよ〜」
心の中で涙を流し、開放的な館内の真ん中にある階段を星風くんと並んで降りる。
「これからどうしよう……、もう、帰る?」
肩を落として訊ねると、
「山加はそうしたいの?」
「!」
その聞き方、本当にズルイ!
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