01.セフレならぬキスフレンドってやつ

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とはいえ、なんとも言えない微妙な面持ちで、眉尻を下げていると、 「──わっ!?」 星風くんにいきなり腕を引かれた。 プリ機の暖簾(のれん)のようなものがパタリと顔に当たり、思わず面食らってまぶたを閉じた。 「……っ!」 その瞬間、塞がれた唇。 星風くんの大きな手のひらが私の後頭部を押さえて、いつもより強引に引き寄せられた。 「……!!!」 今まで一度だって動かされたことのなかった唇が、今日はなぜか動いた。 星風くんの唇に甘噛みされる形になって、思わずビクッと反応してしまう。 「……なっ、……なん……っ、ふゎっ……!?」 訊ねようと唇を離すと、すぐさま後追いされて捕まる。 今まで一度も味わったことのないキスに、心臓がばくばくと唸りを上げた。 「ほ、ほし、星風く……っ」 と。 背の高い星風くんを見上げ、力の入らなくなった足のせいで、体を預ける形になりかけた、その時。 「ほっし風〜! 俺らも仲間に入れろよー」 「!!!!!!!!」 許可なく、ノックなく、入ってきたさっきのメンバーに、腰が浮いた。 「……………って、あっ」 「……………………………っっっっっっっ」 「……………………………………………、」 抱きしめられている形になっていたこの姿を見て、先頭の彼が固まる。 私はダラダラと冷や汗が噴き出す。 私の背後にあるであろう星風くんから、氷点下のオーラが吹き付ける。 「おっ、お邪魔……っ」 暖簾を上げた男子が気まずそうに顔を背けた。 しかし。 いじめっ子は、臆することなく、意味深なセリフと共に分け入ってきた。 「ほんっと星風って、そういうとこ昔から抜かりないよな」
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