01.セフレならぬキスフレンドってやつ

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「それってどういう」 と、聞き返そうとした時、いじめっ子はチャリンチャリンとお金を入れて、撮影をスタートさせた。 さっきのメンバー4人と私たち、合わせて6人。 状況も状況だし、さっきのキスもキス。 なんだか色んなところから色んなものが溢れ出しそうになって、思わずぎゅっとスカートを握っていると、私の隣で何一つ取り乱していない星風くんは、気怠そうな目で騒がしい彼らを見ていた。 彼らよりも頭一つ分背の高い星風くんは、ため息混じりに襟足を掻き、 「山加、ちょっと……」 狭い撮影スペースの中で私を手招きした。 ああ、さっきのキスのせいか、まともに顔が見られない。 今まであんなキス、あんな、あんな……、 (大人っぽいキス……!!!!) シューシューと蒸気が出ている顔を、堪らず押さえていると、 「!?」 画面に夢中になっている彼らの後ろ、星風くんが私の手を払い、またキスをした。 また! 「……なっ……!」 画面に夢中になっていた彼らとて、ただ画面だけを見ていたわけじゃない。 既にカメラモードは始まっていたわけで、つまりは……つまりは。 「星……っ、おまっ、なにやってんだよっ」 ばっちり目撃した彼らが真っ赤になってこちらを振り返った。 「……なにって……、お前らがいても、好きにさせてもらうし」 「はぁ!?」 「ヤなら出てって」 「ほ、星風、お前なぁ……!」 ──お前のそのマイペースなとこ、ほんっっと変わらないな! そう言った元同級生に、私は心底共感した。
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