01.セフレならぬキスフレンドってやつ

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失恋の土産に、星風くんとツーショットプリクラが撮れると思ったのに、結局は今日初めて知り合った小学校の頃の同級生たちと団体ショット。 星風くんはそっぽを向いているし、私はどうにか背伸びをしたけど、ほとんど写ってないし。 漏れなく一番前の一番目立つところを陣取ったのは、やはりヒエラルキーが存在しているのかリーダー格のあの人で、いちいちトゲのあることを言ってくるし、私の中で苦手な人枠に認定された。 星風くんが言った「面倒」って、きっと彼のことだろう。どこか星風くんを目の敵にしている節がある。 ゲームセンターを出れば、ホッと一息つけると思った。……のに。 「なーなー、星風ー」 「……、」 全く空気を読まない彼らが、しつこく星風くんに絡んでいた。 「こんのお邪魔虫どもめ!!!」 と、心の底から思っている私は、まだまだ絶対的に星風くんに惚れているんだなぁと実感する。 (プリクラ……デート……プリクラ……) 今日は(ことごと)く計画が上手くいかない日だ。 厄日かな。あ、仏滅? 星風くんとの、最後の日なのに。 懐かしの旧友たちが喜んで星風くんを囲んでいる姿を背後から眺め、くすんと鼻をすすっていると、 「……!」 ふと、隣に人の気配がすることに気がついて顔を上げた。 「……○×#%!?」 思わず声にならない声が上がったのは、隣に立っていたのが苦手認定されたあの彼だったから。 明らかに地毛ではない明るめの髪は、パーマでもかけられているのか、あちらこちらに遊ばせられていて、よくよく見ると進学校と分かる制服(ボタンなし紺色学ラン!)に、似ても似つかない。 チャラい、怖い、軽そう、いや、キレやすそう! カタカタと震えて、彼を見上げた。 「な、なに……っ」 「星風と付き合って、3年も経つの」 「──っ!」 冷たく光る瞳で訊ねられ、喉が揺れる。 よくよく考えれば、この時。 馬鹿正直に答える必要なんて全くなかった。 だけどこの時、そんなに瞬時に、彼がどんな意図を持って訊ねているかなんて分かるはずもなかった。 だから──。 訊ねられたことを真っ正直に答えてしまった。 「つ、付き合ってる……というわけでは……っ」 それは、学校でその他大勢の女子や先輩から訊ねられた時と同じ回答。 これが当たりだと思ってた。 だって本当のことだから。 ……しかし。
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