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「……付き合って、ない……!?」
眉根を寄せられ、心底不思議そうな顔で聞き返された。
「わ、私なんかが星風くんと付き合えるわけないじゃないですかっ……! この顔ですよ、この体型ですよ……!?」
我が身を指し指し、訴えた。
その時、彼が「……まぁそうだな」って。
否定するどころか肯定したことは、家に帰った後に思い出して腹が立った。
「……ふーん、付き合ってないんだ?」
再び確認した彼に
「付き合ってないです」
力を込めて返答し、彼が眉と肩をすくめて会話は終了。
「用は済んだ。帰ろうぜ」
サイドバッグのような鞄を肩にかけ、ズボンのポケットに手を突っ込んでいた彼が、私から離れて、星風くんに絡んでいたメンバーに言った。
(よ、用……!?)
「〜〜〜」
「……!」
通り過ぎざま、いじめっ子が星風くんに耳打ちをした。
……ことなど、私は気づく余裕はなく、どうにか最悪の事態は免れたと額の汗を拭い、決して大きいとは言えない小ぶりの胸を撫で下ろしていた。
まさかこの出来事が、私と星風くんの関係を大きく変えていくことになるなど知る由もなく、セフレならぬキスフレンドの星風くんとの関係にどう決着を付けようかと……、
(絶対言う! ……明日こそは!)
頼りない決意を繰り返していた。
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