02.これ以上ダメって言える気がしない

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ハァハァと荒くなった変態的呼吸を公式を唱えることで押さえ込み、保健室へ向かった。 私も大概安い女だな。 甘噛み一つで、キュン、からのコロッ、だ。 星風くんに別れ(というにはおかしいが)を切り出す決意が、ぐらっぐらに揺らいでいる。 保健室に着くまでの間、蒼葉ちゃんが「イケる! 脈ある!」と叫んでくれていて、私もなんだかそんな気になりつつあった。 「大したことないわよ。はい終わり」 そう言って保健室の先生がペチッと絆創膏を貼った時、ちょうど授業の終わりを告げるベルが鳴った。 「先生、校長先生がお呼びでーすっ」 ひょこっと顔を出した先生が、保健室の先生を呼びつけた。 「あっ、はーい。じゃ、あなたたちも」 先生に促され、私と蒼葉ちゃんも席を立った。 バタバタと職員室に向かう先生の背中を見送り、さて教室に向かおう、と回れ右した時。 「──わっ!?」 そこに星風くんが立っていて面食らった。 「ほ、星風くんっ……!」 昨日の話を聞いてしまった蒼葉ちゃんが、珍しくその顔を真っ赤に染めた。 「山加、怪我したの?」
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