183人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
保健室の先生の顔は見れずに、でかでかと貼られたガーゼを膝につけたまま、星風くんと保健室を後にした。
昨日から、本当にいったいどうしちゃったんだろう。
小鳥キッスの関係から、踏み込もうとしているの?
本格的にセフレになろうと?
……いやいや!
なんかそれって今更感だし、おとといまで違ったのに突然昨日からって、どんな線引きだ。スイッチだ。
星風くんの心境に、何か……何か変化があったのかもしれない……!
「ほ、星風くんっ……」
と、訊ねようとした時。
リンゴーン。
「……。」
授業の始まりを告げる予鈴が鳴って、話は中座した。
「また、昼に」
「う、うん……」
って、コラ! もう辞めようって言わんかい私!
い、いやいや、こんな所で言うんじゃなく、ちゃんと時間を作って言わなきゃダメでしょ、私……!
相反する二人の私が頭の中で格闘する。
嗚呼、私、本当に言えるのだろうか。
星風くん、やめよう、って。
最初のコメントを投稿しよう!