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それから悶々と、あーヤダヤダリア充ってヤダ! な気分を味わい、しかもツイていないことに、今日の昼休みは図書委員会の集まりがあることを思い出した。
「お前は彼女とランチだって言うのに……」
いつも昼休みは教室を出て行く星風を恨めしそうに眺めた。
「お前にも春が来るといいな」
「……っ!」
それを無表情の無関心に、言な!
泣く泣く図書館に向かうと……。
(あれ、そういえば……)
「新原さん、本当に星風くんと付き合ってないの!?」
そうそう、いたいた。
そういや星風の彼女も図書委員だった。
……て、え?
今、なんて……。
「本当の本当に付き合ってないよ!? 星風くんとは中学校からの友だち……知り合いってだけ!」
彼女はそう言うが、顔は真っ赤。
それじゃあ、嘘ですって言ってるようなもん。
(これも変人のプレイの一環か?)
「ほんとかな〜」
疑わしい眼差しを向けたまま、女の子たちは彼女の前から離れていった。
ホッとため息をこぼした彼女が、ふいに俺に気がつく。
その瞬間、ドキッとしてしまうのは、星風が変なことを言ったせい。
そのぷくぷくとしたピンク色の唇が視界に入って、一気に体温が上昇した。
「あ、あなたは……」
彼女も俺を認識しているらしかった。
「ど、ども。星風がお世話になってます」
って、何言ってんだ、俺!
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