02.これ以上ダメって言える気がしない

16/29

183人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
それからたまたま、隣の席になって、真っ赤になって呼吸の荒くなった久保くんに話しかけて、体調の良し悪しを訊ねたら、なぜか思いもしない話題へと流れていった。 星風くんは久保くんに、私との関係を話していると言う。 あの星風くんが? と驚いた。 今まで、星風くんの友だちに訊ねられたことはなかった。 ホッとしたと同時に、公言しないような関係なんだと痛感させられていた。 でも。 久保くんに話しているなんて、どういう心境の変化だろう? やっぱり、まだ、期待してていいのかな? その答えが欲しくて、(ずる)い手を使ってしまった。 本人に聞かずに、友だちに聞く、なんて。 「その……星風くんは、私とのその……キス……の関係は、なんて……」 「好きだって」 「え?」 一瞬、パアッと顔が華やいだ。 うそ、星風くんが……「好き」……!? 「すげー好きみたいだよ、君との、その、"その"関係」 「──……!!!」
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

183人が本棚に入れています
本棚に追加