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【もう、会いたくない】
「…………っ、………っ! ……!!!」
何度も打ち込み、打ち込んでは消し、やっぱり言い方を変えよう、と消そうとして間違って送信した。
(取消……!)
と焦った時には既に遅く、すぐさま既読がついて愕然とした。
(人生、終わた……)
同じことを言うにしても、言い方ってものがある。
キスだけの関係は終わらせたいけれど、友だちを辞めたいわけじゃない。
星風くんの希望には応えられないけれど、嫌われたいわけじゃない。
少しでも望みがあるなら、キスだけの関係だって我慢できた。
でも。
(もう、3年。3年だもんなぁ……)
心が通じ合った状態で、星風くんに「山加が好き」って思われた状態で、キスしたい。
……キス以上のことだって。
できるだけ極力、星風くんに嫌われない形で離れたかった。
だけど、離れるって、関係を終わらせるって、そんな生半可なことじゃない。
円満に終わらせたいなんて、ただのワガママ、自己満足だ。
かなりキツい一文になってしまったけど、これで良かったのかもしれない。
星風くんのことだ、私がダメだと分かれば、また他の子を捜すかもしれない。
……他の子……。
想像して、悲しくなる。
他の誰かとキスしている星風くん。
案外私なんかより、新しい子との方が相性いいぞ。ってなったらどうしよう!
頭を抱えて振り回した。
(嗚呼、もう……、そんなこと考えてたらキリがないっ)
ブンブンと頭を振り回して、思考を遮断した。
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