02.これ以上ダメって言える気がしない

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そのまま強引に手を引かれて、半ば星風くんに倒れ込むようにして教室を後にした。 その時の、女子の悲鳴といったら。 隣のクラスの人たちまで出てくる始末。 ああ、また明日、質問攻めの嵐だろう。 「ほ、星風くん、部活は……っ」 「カンケーない」 「カ……っ」 関係ない。 これ以上ないくらい、遮断の言葉。 私に踏み込んで欲しくないってこと? 口出しするなってこと? 冷たい響きに涙腺が緩むのは、一度涙を流してしまったせいか。 込み上げてくる涙をどうにか呑み込む。 呑み込む……も。 「で。このメールはいったい……、って。なんで泣いて……」 振り返った星風くんが、私を壁に追い込み、壁に手をついてようやく気がついた。 星風くんの影になるように立たされた私は、我慢が足りず、涙が頬を伝っていた。 「……そんなに、俺に……」 星風くんはそこで言葉を切ったけど、言わんとしていることは空気で分かった。 ──そんなに俺に、会いたくなかった? って、きっとそう、言いかけた。 言わんとしていることは、なんとなくその空気が伝えてくれる。 今だって、きっと今までだって。 なのに私は──私たちは──関係の言及には敏感なんだ。繊細なんだ。 好きって言われないと、好かれているのか分からない。 付き合おうって言われないと、他人に恋人って答えられない。 他のことなら空気で察せられるのに、何故なんだろう。 「星風くんにとって、私っていったい……」 涙と一緒に込み上げた。 やっと、聞けた。
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