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「ハーラ・グロリア・ウワサスキー侯爵令嬢!貴様の次期王妃としてあるまじき振る舞いの数々にはほとほと愛想が尽きた!!
よって貴様との婚約を破棄し、ここにいる愛らしい天使であるターナ・ボタモーチ子爵令嬢との婚約を宣言する!!」
「なっ?!」
「殿下ぁ////」
「あらあら」
「こうなるんですねぇ…」
皆さま、いきなりテンプレかつしょうもない展開、ぶっちゃけ飽き飽きされているのではないかしら?
わたくしはアドリアーナ・ナトリスティと申しまして、ここ剣と魔法と精霊とドレスと紅茶な中世ヨーロッパ風味ご都合主義世界の、ザマァール王国の宰相を父に、隣の強大な帝国の元第3皇女を母に持つ公爵令嬢ですわ
今はわたくし達貴族の子女が通うザマァール王立魔法学園の卒業パーティーというなんともテンプレなシチュですわよ
先ほどわたくしの隣で「こうなるんですねぇ」としみじみ呟いた方はわたくしの友人でマリア・コシヒカリ男爵令嬢
絹のようなお母様譲りの銀髪を大型6連ドリルにして、お父様譲りの人を殺せそうなアメジストの絶対零度の瞳と言われるわたくしとは対照的なふんわりと空気を含んだようなピンクブロンドのロングストレートに可愛らしいクリクリとしたエメラルドの瞳のマリアさん。
男爵令嬢ながら、斬新な農地改革や新たなお菓子の開発などでごこじんまりしとした田舎の領地と領民を支えてきた両親の手助けを積極的にされている下位貴族のホープですのよ
まあわたくしも公爵領でそこそこ…いや、かなりやりたい放題改革しちゃってますけれど
まあ、マリアさんは元農業大学の紅一点、しかも卒業の課題?で自身のオリジナル品種のお米がなんかのコンクールで金賞をとった農業エリートさんです
因みにわたくしは企業向けシステム開発の大手で営業主任をしていたことがありまして、営業に移る前は経理や総務にいたこともあるのでまあ控えにみてもバリキャリと言えるでしょう
察しの良いお方ならもう気づかれたのではないでしょうか?
本来あそこで顔と地位以外なにも無い馬鹿な男達に庇われてるのがマリアさん、婚約破棄を突きつけられてるのはわたくし。
しかし、2人とも転生者な上に常識人だったというわけでございます
「恋は下克上!ドキ★ドキ★イケメンパラダイス」略して「こげパラ」
うん、痛い。あとキモい。
これがわたくしとマリアさんの知っている物語の名前になります
わたくしもマリアさんも前世でやったことは無いゲームなのですが、知識は結構あります
なぜかというとですね…
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