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「貴様は何度もターナを取り巻きと一緒に床に押さえつけて暴行し服を切り刻んだり、階段から突き落としたり、実家を取り潰すと脅したり、暗殺者を雇って亡き者にしようとしたな!!証拠は全て揃っている!!!」
「…くっ!」
あ、冤罪じゃありませんのね
うーん、ちょっとハーラ嬢はやり過ぎね
いや、まあそれでも貴族社会的にはターナ嬢の方がダメなんだけど。尻軽な行動してんのは事実だし、婚約者であるハーラ嬢にはある程度の制裁を加える権利はあるからね
「そ、そもそも殿下がわたくしのことを蔑ろにしてその女狐ばっかり構うから!!」
「女狐だと!!」
「ひ、酷いです」
「あーあ、どうすんのよこれ」
「…ぶっちゃけハーラ様も悪役令嬢というよりもはやただの悪だし、ターナ様も正統派クソビッチでどちらの肩も持つ気になれませんね」
「ですわよね…というか他所でやれって感じですわ!めでたき日を頭の悪い断罪で汚すなど品位を疑いますわよ」
「本当にそうですわね」
マリアさんや他の友人達と話していたらなんか皆さまがこちらに期待の眼差しを向けてくるのですが!!
仕方なく、わたくしは歩み出しました。マリアさんと友人も続いてくれます
「いい加減になさいませ」
「なんだ貴様!!…ひっ!これはこれはアドリアーナ嬢、お騒がせして済まない」
おお、理性は残ってるか
次期筆頭公爵家当主&次期宰相と次期国王では殆ど立場に差がないからわたくしは殿下にもズケズケ何でも言えるのです
「殿下、確かにハーラ様の行いは事実であるとすれば犯罪ですし褒められたものではありませんわ
しかしながら、彼女が言うように殿下やターナ様にも多分に非がごさいますわよ?
また、いずれにせよこの場でなさる話ではありませんわ。今日は皆さまの卒業を祝う日、いくら王族といえど私的なことで台無しにするのは許されませんわよ」
「ターナも悪い、と?」
「婚約者のいる高位の殿方に言い寄っているのだから悪いですわ
ハーラ様だって最初から容赦の無い排除などしていないはず、警告は何度もされたと思いますが?」
「そうなんです!でも殿下もまともに取り合って下さらないしそこの女狐もいくら口で言っても効かないし!!」
…うーん、やはり殿下とターナが悪い。
私が本来悪役令嬢だったからかもしれないけどハーラには多少同情かな?
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