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私はそんな言葉を残し、友人たちの返事も聞かずにその場を飛び出した。そして、辺りに人がいない場所まで来ると、ポツリと涙が零れていった。
だって、分かったから。どれだけ私が前を向いたところで、現実と言うものは何処までも非情なのだ。どれだけ私が頑張ったところで……何かが、変わることはないのだ。そう、思わせてきた。
「……なんで、なんで……」
どうして、私の目の前に、彼らは現れてしまったの?
私の目の前にさえ現れなければ……お互い、平和にやっていけたはずじゃない。たとえ、私が後ろ指を指されようとも、彼らには関係ないこと。どれだけ私が嘲笑されても……彼らには、何一つとして関係ないことじゃない。
そう思うと、余計に自分が情けなくなる。人影のない、校舎の裏。そこで、私は一人涙をこぼした。ここは滅多に人が来ない。それを、分かっていたから。だから……ここで、泣いていたというのに。
「……アミーリア嬢?」
どうやら、彼は私を見つけるのが、かなりうまいらしかった。
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