2択問題

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 2択問題

「高田君、一緒に帰ろー♪」「ああ」相変わらず無愛想だな、と思いながら私のテンションは最高潮だった。これなら今日こそ高田に勝てる!と思える作戦を考えてしまったからだ。その作戦はこうだ。まず高田に「私とキスするのと、1000円もらえるのどっちがいい?」と聞くのだ。これで高田は私にかわいいと言うはずだ!と思いながら今、高田と一緒に帰っている途中。早速私は攻めることにした。      「ねぇ、高田君。」 「何?速水さん。」 「いきなりだけど質問していい?」 「いいけど。」 「高田君って、私とキスするのと、1000円もらえるの、どっちがいい?」 「1000円かな。今買いたい小説あるし。」 ガーーーーーーン   えっ、嘘でしょ。私とキスするより、1000円の方を取る男子、普通いないよ、と焦りながら私は次の質問をした。  「じゃあ次、私とキスするのと、今ジュース1本もらえるの、どっちがいい?」 「うーん、ジュースかな。昼から何も飲んでいなくて喉乾いているから。」  はあーーーーーー?嘘でしょ!ジュースだよ!たった1本のジュースだよ!150円程度のジュースに私のキス負けたの?え、ホントに?と心の中で大ダメージを食らいながら私は暗い声で「そうなんだー。」と言った。そしたらいきなり高田が「速水さんはそんなに僕とキスがしたいのかな?」と言ってきた。自分でも分かる。顔が真っ赤だ。と思っていると、高田がさらに「どうしたの、顔赤いよ。照れているのかな?」と言ってきたのだ。勢いに任せて「赤くないよ!」と言ったら高田が耳元で、「そんなにキスしたいなら、………今する?」なんて言ってきたのだ。そして口を近づけてきたのだ。うわあーーーーーーー!待って待って待ってーーーーー!そう思っても、体は言うことを聞かず目をつぶっていた。そうして1分は過ぎてゆっくり目をあけると目の前にはのんびりジュースを飲む高田の姿があった。思わず口から「は?」と声が出てしまった。そしたら高田は「お、やっと起きたか。ドキドキしたか?」と言ってきた。 「ドキドキしてないよ!じゃあ私こっちだからじゃあまた明日!」と言って気づいたら私は家に向かって走っていた。もちろん顔は真っ赤で、心臓がドキドキしながら。そして誓うのであった。もう高田に、キスの話はしないで明日こそは勝つと。
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