第6話 【貧乏神《びんぼうがみ》奪取作戦《だっしゅさくせん》】

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    ◆   ◆   ◆ 一抹(いちまつ)期待(きたい)も持てなかった。 監獄(かんごく)幽閉(ゆうへい)されてるとなると話は(べつ)だ。 どんな状況であれ、犯罪者でもない者が入れるはずもなく、もし足を踏み入れれば闖入者(ちんにゅうしゃ)とみなされ幽閉(ゆうへい)されることだろう。城主がどれほど弁明(べんめい)しようとも変わらない。 乾坤堂がしようとしていることは、そういうことなのだ。 作戦には準備が(かなめ)。 なぜか貞吉の背中に、貧乏神868号が乗っかっていた。 「どうしてぼくにとり()かせたんですか!!」 「貧乏神だって仕事するときは気分よくしたいだろ」 「それに貧乏界から特別許可をいただいて調達(ちょうたつ)したンスから」 「貧乏から(おん)受けて(とく)あるわけないっしょ!」 「むっふう」 上機嫌だ。貞吉の背中がさらに重苦(おもぐる)しくなった。 「手筈(てはず)はわかってンな」 すべては───タスケの先導(せんどう)開始(かいし)する。 城主から調達した監獄の見取図(みとりず)を頼りに裏口から侵入(しんにゅう)し、868号を探査機(たんさき)替わりに行方(ゆくえ)を探させる。 厄介(やっかい)なのが、監視(かんし)カメラだ。 与作ジジイが造った赤外線(せきがいせん)遮断(しゃだん)外套(コート)警報音(けいほうおん)は防げるが、モニターに映るすがたまではごまかせない。 月弥が監視室の見張りを城主に頼んだのは、そういう理由からだ。 それでも問題は山積みだ。 「月弥さん。この外套───なんで“まっピンク”なんですか?」 「ンなこと・・・・ジジイに聞けや」 「なんで(くろ)にしなかったンスかね、マジで」 一同はおおきくため息をつき、いよいよ行動開始する。  
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