第6話 【貧乏神《びんぼうがみ》奪取作戦《だっしゅさくせん》】

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    「だったら心配(しんぱい)ねえよ。そんな働く奴等が(ひし)めくような国に貧乏神一匹まじったからって、世の中ァどうなることもあるめぇに」 「オオアリじゃ!!事実、貧乏界が計測(けいそく)した経済均衡(バランス)は徐々に傾斜(けいしゃ)傾向(けいこう)にある!」 「待てよ。・・・たった一匹の貧乏神なのにか!?」 さすがの月弥も、ごろ()態勢(たいせい)を起き上がらせた。 「月弥。考えたくはないが、おそらくそいつがとっつかまってる場所に問題があるのだ」 「場所?どうせどっかの古民家(こみんか)とかだろ?」 「それならば脳内電波でいくらでも救出(きゅうしゅつ)できるはず。いっただろ。そいつは、深く固い場所に閉じ込められていると」 「───」 月弥の思考が一瞬止まり、貧乏神に()()る。 「テメェ、さっきそいつを“救い出してくれ”っつったな」 「ああ。間違いない。あやつは──」 “監禁(かんきん)”されておるんじゃ。 一同は言葉を飲み、空気が静寂(しん)と静まりかえった。 月弥は早鐘(はやがね)を鳴らす。 「・・・監禁」 「ああ。日本一(ひのもといち)広大(こうだい)敷地(しきち)面積(めんせき)(ほこ)るといわれる巨大(きょだい)監獄(かんごく)併設場(へいせつじょう)」 ──『辰宮城(たつみやじょう)』で。  
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