第6話 【貧乏神《びんぼうがみ》奪取作戦《だっしゅさくせん》】

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    ◆   ◆   ◆ 一国(いっこく)惨状(さんじょう)悲惨(ひさん)だ。 道端(みちばた)に人は(たお)れ、家屋(かおく)(すさ)み、野犬(やけん)(ほね)(くわ)彷徨(さまよ)う。 「ひでぇ」 「これが一か月前まで日本一最盛(さいせい)繁栄(はんえい)してた国の現状か」 「影響(えいきょう)って、おそろしいですね」 静季がぽつりつぶやく背中に、重いなにかが当たった。 咄嗟(とっさ)に軽い声をあげ、なにかがこちらを振り返る。 野晒(のざら)しを絵にかいたような破落戸(ごろつき)の男だ。 「おい!気ィつけろや!!」 ぶつかってくるなりそう吐き捨て、静季はちいさくすみませんとつぶやく。 熱いものがこみ上げ、静季の(ひとみ)がかすかに揺れる。 それが乾坤堂の闘志(とうし)に火をつけた。 刹那(せつな)、破落戸がなにかに顔面を蹴飛(けと)ばされ、後ろに倒れた。 「!!」 引き締まった筋肉。獣毛(じゅうもう)腰巻(こしまき)。ケモミミ。 「タスケッ」 経蔵(けいぞう)タスケ。情報屋(じょうほうや)飛脚(ひきゃく)キツネで、乾坤堂にはなにかしら情報提供をし、(めし)(たね)を運ぶ。 「兄貴(あにき)、そいつ、”スリ”の常習(じょうしゅう)ですぜ。静季(ねえ)サンの財布(さいふ)、いまごろやつの(ふところ)でさァ」 ンだとおおおおおおお!!!!!! 「い、いや、これはだなその」 男は有無(うむ)も言われず、袋叩(ふくろたた)きにされた。     
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