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「なあなあ金魚。お前何か喋ってみろよ」
「………」
「おーい。お前の名前何がいい?」
「………」
さっきからずっとこの調子でダンマリなんだぜ、この金魚。人見知りかってんだ。
まー俺も人の言葉が理解できるようになるまで5、6年かかったしな!
こんな金魚の赤ん坊には人の言葉なんてまだ分かんねえか。しゃーないしゃーない。
「豪くーん、おやつよー」
「はーい!」
やった!おやつの時間だ!
人間の食べ物は色んな種類があるし美味いし最高だな!もう金魚食には戻れねえぜってな。
そんな俺ももう7歳なんだぜ。
っつーことはだ。
次に寝たらまた別の生き物になれるかもしれねぇ。
何の動物になれるか…楽しみで寝られないぜ!
HAHAHA!!
俺がそんな事を考えながら愛しのマミーの元へ向かっていた時。
金魚鉢の中の生き物がまるで抗議の意をとなえるかのように飛び跳ねた事を俺は知らない。
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