もしも陰キャが陽キャに恋をしなかったら

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2年一学期1日目はただただ最悪だった。 人間はすぐに群れたがる。 孤独を蔑視している憐れなクラスメイト達は一年の頃仲の良かった者や、そうでもないけど会話はする程度の“元クラスメイト”同士で無理矢理輪をつくり“新しい”壁を創造し始める。 新学期という言葉の由来はここから来ているのかもしれない。 もっと最悪なのは、2年になった私のクラスはともかく派手だったということだ。 なんか、バスケ部とかサッカー部とか野球部とか、そういう感じの如何にもなリア充が密集している。 帰宅部も多いが、学校帰りにカラオケに行ったりするタイプの帰宅部が大半を占めているし、文化部に所属している我々の仲間と思われる部類の女子男子達も、見た目に反して明るい性格の者ばかりだ。あと、今日は来ていなかったらしいが人気モデル的な奴もいる。 とどのつまり。 陽の属性が強すぎるのだ。 いや、違う。 本来“陽”と称されるべきは私のような高尚な孤独家なのだが、誤って光輝いている連中の比率が他クラスと比べて群を抜きすぎているのだ。 結論から言おう。 あんな奴ら、干からびてしまえ。 そうして、最悪ポイントはそれだけじゃない。 今年から何故か私の通う高校の生徒は全員、部活動への加入が強制されることになったのだ。 え、じゃあ何?受験勉強したい人とか他に習い事がある人とかも部活入らなきゃ行けないの?と思う人もいるだろうが、そんな方達には朗報がある。 元より学校外で他の団体に入っている生徒は塾を含めて申請を出せばその部活動強制加入システムを免除されるし、受験勉強が心配であるという人に関してはそれ専用の部活もあるため各々のしたいことも出来るには出来るのだ。 というか、“強制”という言葉を使ってはいるがあまりにも厳しすぎるとPTAから苦情が来るため、別に学校が終わって直ぐに帰ってもいいけど名前だけでも何かしらの団体に属しておけよという、くそ出鱈目なゆるゆる校則がひとつ増えただけの話なのである。 部活動でなくとも研究会や愛好会を作って勝手に活動するだけでも別に良いらしいし人数の制限も無い。例え部員が1人でも、名前をつけて“それっぽい”感じのことをしていればそれだけでも部活動として認めてもらえるしちょっと手間が増えるだけで騒ぎ立てる程のデメリットも特には無いのである。つまり何が言いたいのかと言うと、 このシステムは、大した変化じゃない。 ーーーリア充共にとっては。
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