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ーー畜生。何だってこんなことに。
一応、一学期。
学年が上がった実感は全く無いが、後輩も入ってきたのだ。
4月7日水曜日。新学期2日目放課後。
私、愛川雅は逸る気持ちを必死に抑えながら職員室への廊下をずんずんと進んでいっていた。
ーーこれは、創るしかない。
今から部活動なんてものに入ってみろ。行かなくても良いのは二日目以降、最初の一日目は軽い馴れ合いと活動内容を紹介するためのレクリエーションが学校の時間割の中に強制的に取り入れられている。
つまり、大勢の前での“自己紹介”が否が応でも回ってくるのだ。
そんなの、たまったものでは無い。
私は、群れない。
私1人のためだけの部活を設立するしか、この高校で生き延びる道はない。
ガラリ。職員室のドアを控えめに開ける。
「に、にに、2年4組の愛川、です。な、名取先生はいらっしゃいますでしょうかっ」
くっ、大人達め。いきなりこっちを見るんじゃない。ちょっと驚いてしまったじゃないか。
台詞が噛み噛みになってしまったことに赤面しながら案内された場所に行くと、そこで待っていたのは1年の頃からの担任、名取和雅だった。
「ああ、愛川か。珍しいな。どうしたんだ?」
「せ、先生。その、ぶ、部活動の件なのですが」
促されるままに用意していた学校内団体創設の申請用紙を差し出した。
「私、コレに入ります」
大きな空欄に小さな文字で書かれていたのは私の、私による、私のための部活動の名前だった。
“一人研究会”
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