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その姿を目に入れた瞬間、ああなるほどと思った。
なんというか、目立つ。
整った容姿や高い身長に関してもそうだが、それと同時に纏っている雰囲気というかオーラというか、ともかく人の目を引くのだ。
ただその場にたっているだけで強烈な印象を周囲に植え付ける、尋常じゃない存在感。
上品な金髪と優しげな目元も相まってまさに日本国民の王子様といった感じだ。
ーーフン。
何が人気モデルだ。
確かにそれっぽさはあるがまだまだ人生経験の浅い“ボンボン”じゃないか。きっと幼い頃からもてはやされてきたから掃除の仕方も知らないんだろう。あと、買い物とかもしたこと無さそうだ、自分で鞄を持つ習慣も無さそうだし(偏見)。
真に注目を浴びるべきはあんな見掛け倒しな奴ではなく私のような誇り高き狼なのだ。
私は孤独を恐れない。
あいつは1人じゃ何も出来なさそうだ。眼中に入れる必要なんてないない。
チラリと周囲から熱視線をあびている対象を見やると、案の定他のクラスメイト達に取り囲まれてこちらからは指先さえも見えない状態になっていて。
いよいよ自分がこの場に本当に存在していない人間の様に感じられた。
興味なんて全く無いけど。
ーーあの人間の見ている景色はどんなものなのだろうかと。
ぼんやりとそんなことを考えた。
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