1/2
前へ
/12ページ
次へ

暑い、、、。暑すぎる、、、。こないだまでぽかぽか陽気で暖かいぐらいだったのに一日中サウナにいるような暑さを感じる、、、。 「ひなー!海行こー!」 いいよー!と返事をし、支度を始めた。 泳ぐのは得意ではない。でも、この頃になると雛菊と一緒にいる事が嬉しくてしょうがない。 僕らが住む町は海沿いだ。今日は海沿いで散歩だ!! 海に着いて僕らは波の上を走った。ゴミだらけで流木が沢山な海だけど、水は汚くない。服のままだけど水に浸かった。 冷たくて気持ちいい。火照ったからだにぬるい水が触れて気持ちいい。 キャッチボールしてたら顔面にボールがヒットして大笑いしたり、砂浜で転んで全身砂まみれになったり、水を掛けまくってずぶ濡れになって、まるで子供の頃のように楽しんだ! ん?子供の頃?、、、おかしいな。海には初めて来たはずなのに海に行った記憶があるなんて。多分、夢と現実が混じったのかな。 そんな調子で遊んでいたら、すっかり日が暮れていった。雛菊と沢山喋りながら家に帰る途中、少し悲しくなった。 1年後の今頃、雛菊はこの世に居ない。 僕も、居ないのかもしれない、と。 このところ、雛菊は悪夢にうなされていることが多い。 朝になると、いつも汗びっしょりで虚ろな目をして起き上がる。 そんな地獄を雛菊に味わせたくないよ。 絶対僕が雛菊を守るんだ。 僕は宝石のように輝く夕日に向かってそう誓った。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加