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ポカポカ陽気だ。でも僕はそんなこと言ってる場合じゃない。住むところも追い出されて仕事仲間に裏切られた。名前も忘れた。これからどうやって生きていこう。死にそう。いっそ死んでしまおうか。でもどうやって?疲れた。だるい。そう思いながら古いアパートの前を通った。さっきから足が痛い。とりあえず、何か食べるものがほしいからそのへんに落ちてるのを拾って食べた。まずい。美味しくねーんだよ。美味しいいちごでも食べたいな。その時、後ろからパシャパシャと音がした。スーツを着た黒いボブカットの女の人が目をキラキラさせながら写真を撮ってた。SNSにでも乗っけんのか? 「ねえ、君誰?亅 驚いたことに僕に話しかけてきた。 僕は名前を忘れた。そういった。 「名前ないの?そーだな…。今日はポカポカ陽気だから、ポーカなんてどう?亅 単純か。嫌だったので却下。  「やなのー?んー…じゃあ君、頭が灰色だから、グレちゃんとか?亅 だからおい、ネーミングセンス皆無か。もちろん却下。 「えー…じゃあ、あたしから取って、ひな!亅 女子か!と思ったけどそれ以上いい名前でなさそうだし面倒だからそれでいいや。 「いいの!?あたし、皆野川雛菊(みなのがわ ひなぎく)。よろしく…って!あんた!足怪我してんじゃん!なんで早く言わないの!と…とりあえず…びょういーん!亅 雛菊と名乗った女は僕を抱えて病院へ急いだ。
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