消えない古傷

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「“おはよー”」 「おはよう!」 「おっはー」 「おはよ~」 「おはようございます。」 「ちわっす」  僕の挨拶にいつものメンバーが応えてくれた。  初めは挨拶すら出来なかったけどみんなの おかげでだいぶ気楽に話せるようにもなった。 「あ、早速だけど昨日お願いしたやついいかな?」 「おっけー」 「“はいなー”」 「いいですよー。」 「うっす」  僕たちのリーダー的存在のアキさんの呼び掛けに一致団結。みんなで何かをやり遂げるのは大変だけど楽しい。  だけど、それも今日までだ。 「みんなごめんね」 「昨日言ったけど、今日で引退します」 「今までありがとう!  みんなにも幸あれ!」  挨拶してから二時間くらい経った頃、この言葉を最後に、アキさんが僕たちとの繋がりを絶った。 ~~~ 「あの時はマジで笑ったwww」 「今一瞬だもんね~w」 「ごめんなさい。そろそろ寝ますね。」 「“うんうん”」 「自分、不器用なんどぇ()」  みんなと話していると時間はあっという間に過ぎ去っていく。 ブーォーーン  と、外から新聞配達のバイク音がして大体の時間を知らされる。 「俺も寝ないとやばいわ(*T▽T*)ノシ」 「おやす~」 「自分もそろそろ……」 「“ノシ”」 「私も露店放置で寝る~( ´∀`)/~~」  同じ空間にいるかのようなタイミングで別れの時間は突然やってきた。 「……もう朝か」  みんなが寝てしまって退屈になった僕は、時間帯によっては人気があって狩れない狩場で経験値を稼ぐ。  たまに不正な操作と勘違いされたのか横槍を入れられながら。  そうして外が一層明るくなり、母が仕事で家を出るのを確認するまで僕はオンラインゲームで狩りを続け、少ししてから就寝した。 ◇ 「“おはよー”」 …… …… ……  その日の“朝”。日課をこなし食事をして挨拶をするも誰からも返事は来ない。  偶然かもしれない。  しかし、必然的ともいえるタイミングだった。 コンコンコン 「……起きてる?」 三年振りに聞いた母の声だった。
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