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ようやく目を覚ませる。
そんな気がした……はずだった。
僕は一人、自室のカーテンを開き光を浴びた。
体を優しく照らしてくれたその光は、いつも僕に“朝”を知らせてくれる。
「……おはよう。今日も静かだねぇ」
ベッド脇にある小さな観葉植物へ声をかけ、葉を人差し指でそっと撫でるのが日課だ。
針音の無い壁掛け時計に目をやると7と12を指し示している。
僕は食事を摂るため部屋のドアを開けた。
「おはよう! 今日も1日楽しくね!」
そう書かれた付箋のついたラップを剥がし、用意されていた火のしっかり通ったオムライスへとスプーンを入れる。
「……うん。美味い」
母の手料理はいつも美味しい。
ただ、かれこれ三年。僕は母の顔を見ていない。
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