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「まあ、でも、まずは、俺は十津川を追ってみますか……」
「それは、協力しますよ。俺も、第二公安部に頼めない事があるのでね」
まずは、第二公安部に届いただろう、データが気になる。すると、奥村が小声で笑いならら、入手済だと見せてくれた。
「十津川か……」
第二公安部に届いた最初のデータは、まるで誤って配送されたギフトのようだった。それは、小さな箱に入っていて、箱にはリボンがかけられていた。指輪が入っているような箱で、宛名は十津川になっていた。
届いたものを、そのまま置いていたのだが、昼頃になり異臭に気付いた。それは腐った肉のような匂いで、朝に届いていた小箱の付近からしていた。
そこで、隣の席であった女性が、箱を持ち上げると血のようなものが流れ落ちていた。
「中を開けてみたわけか」
爆発物ではない事が確認され、科学捜査のプロが丁寧に箱を開いた。すると、そこには、指輪をはめたままの、指が入れられていた。
指輪は結婚指輪で、十津川のものであった。届けられた時は凍っていて、溶けだして異臭になったようだった。
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