第二章 人は海から生まれ

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「下にもトレーが入っていて、指が十本並んで入っていた」  そして、そのトレーにはチップが入っていて、十津川の叫ぶ声だけデータに入っていた。しかし、その叫び声は、途中でゴボゴボという音に変わり、映像がないので、変な想像をしてしまう。 「夕方、いつの間にか十津川の机に、又、箱が置かれていた」  誰も置いた所を見ておらず、すぐに中が調べられた。 「ああ、舌が入っていたのか。そして、チップには、文章があった?」 「そうですね……文章は、十津川の捜査報告書でした」  報告書によると、十津川はとある政治家の不正を追っていた。その政治家は、企業から金を受け取っていて、本来許可が出ない筈の場所に病院と学校を建設し、補助金を受け取っていた。 「すると、次には目玉が送られてきて、画像データがくるのか?」 「その通りです」
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