第二章 人は海から生まれ

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「事前に採取していた、DNAデータが改竄されているのですか……」  それは十津川ではないという喜びもあるが、データが信用できなくなったという事も示している。 「でもさ、十津川は生きている。助けに行くかな……」 「又、勝手に行動するのですか!」  勝手な行動ではない。十津川の情報操作と、俺が抱えている動画の捜査は、類似している。これは、同一犯で進化しているような感じがする。 「バラバラで送ったデータを、公安は解析できなかった。だから、動画に切り替えた。やりたいことは、正義の実行」 「夏目室長、助けに行くと言っても、どこに十津川がいるのか分からないでしょう?」  文句を言いつつも、安東は銃を確認していて、一緒に来るつもりらしい。 「それは、奥村の出番だろ。十津川の居場所を特定して」  十津川には、幾つものGPSが埋め込まれている。それは、常備、電波を発信しているものではなく、条件により作動していた。 「それで、分かるのならば、第二公安部が行っているでしょう」 「まあ、そうだ。そのままでは使用できない」  向こうは改竄のプロで、誤ったデータにすり替えられている。
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