第三章 波音は心音に似ている

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「……まあ、現場に行くか」  俺が歩いて、椿生のバイクに乗ろうとすると、背中を掴まれて降ろされていた。 「自分で移動しろ!」 「君塚、お願い!」  君塚は車で来ているらしく、歩いてガレージを出てゆこうとしていた。俺が君塚を追いかけていると、道路に出た瞬間に正面に車が止まった。  止まった黒塗の車から、銃口だけが出てきて、俺に向って銃が発砲されていた。それも一発ではなく、機関銃で撃ち込まれていた。俺は咄嗟に、他の車の下に潜り込んだが、君塚はそのまま自分の車に向って歩いていた。 「どこの誰かは、知りませんが」  椿生用の通路の壁が、ボロボロになっていた。でも、君塚はプロの殺し屋なので、襲撃には慣れていた。 「……椿生さん、怒りますよ、コレ」  君塚は、銃撃も気にせずに、歩き去ってゆく。この銃弾に当たらずに歩いている君塚も、かなり怖い。 「君塚……そういう問題?」
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